【保存版】エアブラシ「圧力調整」完全ガイド|0.05〜0.2MPaで塗装が激変する理由

【保存版】エアブラシ「圧力調整」完全ガイド|0.05〜0.2MPaで塗装が激変する理由

あなたのエアブラシ、最近ちょっと調子が悪くないですか?
「塗料がプツプツ飛ぶ」「吹き始めに線が太くなる」「圧をどこに合わせていいのかわからない」──。
実はそれ、コンプレッサーの圧力調整が原因かもしれません。

この記事では、初心者でも迷わず「最適な圧力」を設定できるように、
エア圧の仕組み・用途別の数値・吹き始めのコツまでを、実際の現象とともに分かりやすく解説します。
読後には、明日からあなたの塗装が見違えるように安定します。


◆ なぜ圧力調整がそんなに重要なのか?

エアブラシの吹き出しは、ただの「空気の勢い」ではありません。
圧力(MPa)は塗膜の質・線の細さ・ツヤの出方を決定づける要素。
少し強すぎるだけで、にじみ・粉吹き・塗料のムラが一気に発生します。

多くの人が失敗するのは、「数値の意味」が曖昧なままレギュレーターを回してしまうこと。
実際に使うとき、0.05MPaで安定する塗料もあれば、0.2MPaを必要とする広面塗装もあります。
まずはその違いを明確に整理しましょう。

【用語の基礎】「最大圧力」と「定格圧力」は別物

  • 最大圧力:タンク内部が耐えられる最高値(例:0.4MPa)。
  • 定格圧力:連続使用時に安定して出せる圧(例:0.1〜0.2MPa)。

カタログで「最大圧0.4MPa!」と書いてあっても、実際の作業は定格圧0.1〜0.2MPaで使うのが現実です。
ここを誤解すると、圧が強すぎて塗料が弾かれる原因になります。


◆ 吹き始めが太いのは「高圧スパイク」が原因

よくあるトラブルが「吹き始めだけ強く出て、すぐ落ち着く」現象。
これはレギュレーターとタンク内の空気圧の関係で、1〜2秒だけ高圧が噴き出すためです。
設定を0.05MPaにしても、実際の瞬間圧は0.1MPaを超えていることも。

【改善プロトコル】吹き始め高圧をゼロにする3ステップ

  1. エアを出しながら圧を合わせる(静止状態で調整しない)
  2. 作業前に3秒の“捨て吹き”をして圧を安定させる
  3. 手元調整器を併用して微調整(模型の細吹き時に特に有効)

これだけで「吹き始めだけ線が太い」「にじむ」といった症状はほぼ解消します。
模型誌やメーカーFAQでも説明されていますが、実際の吹き出し圧と設定値にはタイムラグがあることを意識しましょう。


◆ 用途別:エア圧の目安早見表

用途 推奨圧力(MPa) ノズル径 特徴
極細ライン・シャドウ吹き 0.05〜0.08 0.2〜0.3mm 繊細なグラデーション。圧が強いと滲みやすい。
一般的な模型塗装 0.1〜0.12 0.3mm前後 最も扱いやすい標準圧。ツヤ・発色バランスが良い。
広面塗装・車・艶あり塗装 0.15〜0.2 0.4〜0.5mm しっかり吹ける。塗膜が厚くなるため希釈を多めに。

この表を基準に、自分の塗装環境や塗料粘度に合わせて微調整していきましょう。
吹き始めに「シュッ」と安定した霧が出る圧力が、あなたの最適値です。


◆ 安定した圧力を作る3つのコツ

1. タンク付きコンプレッサーを使う

タンクがあると脈動が減り、一定圧で長時間吹けます。
脈動=圧力変動=塗面ムラの原因です。
静音性も上がるので、夜間や室内作業にも最適。

2. 水抜き(ドレンフィルター)をこまめに

湿気を含んだエアは、塗面に「水噛み」や「ザラつき」を生みます。
湿度が高い日は、作業前に必ずフィルターの水を抜いてください。

3. 圧力計を“見ながら”調整する

静止状態ではなく、実際にエアを出しながら調整するのがポイント。
止めたまま調整すると、再開時に一瞬だけ高圧が噴き出します。
「回して→吹いて→確認して→再調整」、このリズムが大事です。


◆ よくある質問:圧力を上げたほうがツヤは出る?

一概にはYESではありません。
圧が高すぎると塗料が乾く前に広がりすぎ、むしろ“粉っぽく”なります。
ツヤを出したいなら塗料濃度を1:1.5〜2で希釈し、圧は0.1MPa程度に。
風圧よりも「塗料の粒の揃い方」がツヤを決めます。


◆ まとめ|安定したエア圧が“上達の近道”

圧力調整は「数字合わせ」ではなく、「塗料と空気の呼吸」を合わせること。
0.05〜0.2MPaの範囲を理解し、吹き始めを制御できれば、仕上がりは劇的に変わります。
一度安定したセッティングを掴めば、毎回の塗装が“再現できる快感”に変わります。

もし今お使いのコンプレッサーで安定しない場合は、
タンク付きモデルや静音タイプを検討してみてください。
「最大圧」「定格圧」「吐出量(L/min)」を確認し、自分のノズル径に合うモデルを選ぶのがコツです。

ワンポイントまとめ:
・0.05〜0.2MPaが基本レンジ
・吹き始めの高圧は“出しながら調整”で防止
・タンク+水抜き+圧力計チェックで安定性UP

次回は、圧力調整とセットで重要な「塗料濃度と距離の関係」を解説します。
安定したエア圧を掴んだ今こそ、塗料コントロールのステップへ進みましょう!

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