エアブラシスタンドは2種類必要!絶対に倒れないおすすめスタンドと選び方を徹底解説

「ガシャンッ……」

静まり返った深夜の作業部屋に響く、鈍く、しかし絶望的な音。

恐る恐る足元を見ると、そこにはハンドピースから溢れ出した塗料が、お気に入りのラグと、作りかけのプラモデルを無慈悲に侵食していく光景が広がっていました。

これはホラー小説の冒頭ではありません。かつて私が安物のエアブラシスタンドを使っていた時に経験した、紛れもない実話(トラウマ)です。

エアブラシにおけるスタンドは、単なる「置き場所」ではありません。部屋と作品を守るための「保険」です。

今回は、多くの初心者が陥りがちな「スタンド選びの落とし穴」と、大惨事を防ぐための「鉄壁の固定術」について解説します。

なぜ「エアブラシスタンド」で検索してはいけないのか?

いきなり矛盾するようなことを言いますが、GoogleやAmazonで単に「エアブラシスタンド」と検索して、上位に出てきた安いものをポチるのは危険です。

なぜなら、エアブラシ塗装の現場には役割の全く異なる「2つのスタンド」が必須だからです。

塗装に必要な2つのスタンド

  1. ハンドピーススタンド(銃架)
    塗装の合間に、塗料が入った状態のエアブラシ本体(ハンドピース)を置くための台。
  2. ペインティングスタンド(塗装ベース/乾燥台)
    塗装したパーツをクリップで挟み、乾燥させるために立てておく台。

初心者の多くが、この片方(多くはハンドピース用)しか購入せず、いざ塗装を始めてから「塗ったパーツ、どこに置けばいいんだ!?」となります。

塗装の手順や全体の流れに不安がある方は、まずはこちらの記事で基礎を固めておくと、この「2種類の必要性」がより深く理解できるはずです。

1. 【ハンドピース用】絶対に倒さないための「重力」と「固定」

まずは、エアブラシ本体を休ませる「ハンドピーススタンド」です。
ここでの最重要指標は、デザインでも価格でもなく「物理的な安定性」です。

「卓上式」vs「クランプ式」論争に終止符を

スタンドには大きく分けて、机の上に置くだけの「卓上式」と、机の天板に万力で固定する「クランプ式」があります。

結論から言います。
専用の塗装ブースや重厚な作業机があるなら「クランプ式」一択です。

エアブラシには常に「ホース」がつながっています。作業に熱中してハンドピースを動かした際、このホースがスタンドを引っ張ってしまう事故が発生します。
軽い卓上式スタンドだと、ホースの張力に負けて、カップの中身ごと横転します。これが冒頭の「大惨事」の正体です。

どうしても卓上式を使うなら「重さ」を見ろ

住宅環境や机の形状(天板に厚みがありすぎる等)で、どうしてもクランプ式が使えない場合もあるでしょう。
その場合は、以下の条件を満たすものを選んでください。

  • 台座が金属製で重いもの(プラスチック製の軽量タイプはNG)
  • 底面に強力なマグネットや滑り止めがあるもの

ちなみに、周辺アイテムの選び方については以下の記事でも詳しくリスト化しています。「何を買えばいいかわからない」という方は、一度目を通してみてください。

2. 【塗装ベース用】乾燥中の悲劇を防ぐ「広さ」と「密度」

次に、塗り終わったパーツを乾燥させるための「ペインティングスタンド」です。
一般的には「猫の手ステーション」などと呼ばれます。

「100均の猫の爪とぎ」で代用する場合の致命的な弱点

よくSNSなどで「100均の猫の爪とぎ(段ボール)で代用できる!」というライフハックを見かけます。
確かにコストパフォーマンスは最強ですが

「100均の爪とぎは、軽すぎて浮きます」

塗装したパーツ(持ち手棒がついている)を何十本も刺していくと、重心が高くなり、ちょっと手が当たっただけでベースごと転倒します。
乾燥待ちのパーツ同士が接触し、塗装面が剥がれた時の絶望感は、筆舌に尽くしがたいものがあります。

もし100均で自作する場合は、底面に「重り」を入れて重心を下げる加工が必須です。

乾燥や塗装の相性については、以下の記事で科学的に解説しています。乾燥時間を確保するためにも、安定したベースは不可欠です。

3. 買ってからが本番!スタンドを「鉄壁」にする固定ハック

市販のスタンドを買ったからといって、過信してはいけません。
プロのモデラーは、さらに一工夫加えて「絶対に倒れない環境」を構築しています。

① クランプにゴムシートを噛ませる

クランプ式のスタンドを使用する場合、机との接地面にホームセンターで売っている薄いゴムシートを挟んでください。
グリップ力が劇的に向上し、ちょっとやそっとの衝撃ではビクともしなくなります。

② ホースの「逃げ道」を作る

転倒原因のナンバーワンは「ホースの引っかかり」です。
スタンドの近くにフックを設置し、ホースの重みが直接ハンドピースにかからないように中継させるだけで、リスクは激減します。

こうした細かい工夫こそが、塗装のモチベーションを維持する秘訣です。「面倒くさい」と感じるかもしれませんが、その一手間が挫折を防ぎます。

まとめ:安定したスタンドは「心の余裕」を生む

たかがスタンド、されどスタンド。

「倒れるかもしれない」という不安を抱えながらの塗装は、集中力を削ぎ、作品のクオリティを下げます。
逆に言えば、「絶対に倒れない」という確信があれば、指先のコントロールだけに全神経を注ぐことができます。

これから道具を揃える方は、ぜひ「ハンドピース用」と「塗装ベース用」の2つをセットで、そして「安定性」を最優先に選んでみてください。

もし、すでに道具選びで失敗してしまったり、思うように塗装ができずに悩んでいる方は、こちらの記事も参考にしてみてください。リカバリーの方法は必ずあります。

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