「家族からシンナー臭いとクレームが来た…」
「冬場のベランダ塗装はもう限界…」
モデラーにとって永遠の課題である「臭い」と「環境」の問題。これを解決するために「水性サーフェイサー」を検討している方は多いはずです。しかし、同時にこんな不安も抱えていませんか?
- 「水性は塗膜が弱そうで不安」
- 「乾燥が遅くて作業が進まないのでは?」
- 「手持ちのラッカー塗料が使えなくなるのが怖い」
現在のGSIクレオス「水性サーフェイサー」は、別次元の進化を遂げています。
今回は、リビングモデラーの救世主となる「瓶入り水性サーフェイサー」をエアブラシで吹くメリットと、多くの人が諦めてしまう「水性サフの上にラッカー塗料を塗る」禁断のハイブリッド塗装術について、徹底解説します。
あわせて読みたい:
そもそもエアブラシ導入を迷っている方へ。メリットは「面倒くささ」を上回るのか?
【実録】エアブラシのメリットは「面倒くささ」を超えるか? 元・挫折者が教える「挫折しない」導入術と選び方
なぜ「缶スプレー」ではなく「瓶入り」をエアブラシで吹くべきなのか?
水性サーフェイサーには手軽な「缶スプレー」タイプもあります。しかし、あえて私は「瓶入り」をエアブラシで吹くことを強く推奨します。
その最大の理由は「モールド(溝)の保護」です。
缶スプレーは「厚化粧」になりがち
缶スプレーは噴射圧が強く、粒子も大きいため、どうしても塗膜が厚くなりがちです。HGガンプラや1/700艦船模型のような繊細なディテールを持つキットの場合、サフの厚みだけでモールドが埋まってしまい、ダルい印象になってしまうことがあります。
一方でエアブラシを使えば、塗料の濃度と吐出量をコントロールできるため、「傷は埋めるが、モールドは埋めない」という理想的な薄い塗膜を作ることが可能です。
エアブラシ選びの参考に:
繊細なサフ吹きには、トリガーのコントロールが重要です。
エアブラシ選びで失敗しないために。シングルとダブルアクションの「決定的」な違い
コストパフォーマンスとリカバリー
缶スプレーは使い切ったら終わりですが、瓶入りは専用うすめ液で希釈して使うため、コストパフォーマンスが圧倒的に高いのも魅力です。また、エアブラシ塗装なら、失敗しても乾燥前なら水やマジックリン等で拭き取れるため、リカバリーも容易です。
ラッカー派も必見!水性サフの上にラッカーを塗る「砂吹き」術
ここが本記事の核心です。
一般的に模型塗装のセオリーでは「ラッカー(強い溶剤)の上に水性(弱い溶剤)はOKだが、逆はNG」と言われています。下地の水性塗料が、上塗りのラッカー溶剤で溶けてしまうからです。
しかし、臭いのキツイ「サフ吹き」だけは水性で済ませて、本塗装は使い慣れたラッカーで行いたい…というニーズは非常に高いはず。実は、「砂吹き(Mist Coat)」というテクニックを使えば、これが可能になります。
塗料の相性を詳しく知る:
重ね塗りの基本セオリーとエアブラシならではの砂吹テクニックはこちら。
塗料の重ね塗り相性を完全マスター! アクリル→ラッカーも失敗しない方法
失敗しないための希釈とトラブル回避
水性サーフェイサーをエアブラシで吹く際、最も重要なのが「希釈(薄め方)」です。ラッカー系とは感覚が異なるため注意が必要です。
推奨希釈比率は 1 : 0.7 〜 1.0
GSIクレオスの水性サーフェイサーの場合、「塗料1:うすめ液0.7〜1.0」程度が目安です。ラッカーサフよりも「濃いめ」を意識してください。薄めすぎると弾かれたり、エッジに乗らなかったりします。
また、必ず「水性ホビーカラーうすめ液(推奨)」を使用してください。水で薄めることも不可能ではありませんが、乾燥時間が遅くなり、表面張力で弾かれやすくなるため、サフ用途としてはおすすめしません。
希釈の科学を学ぶ:
気温や湿度で微調整が必要です。失敗しないためのチェックリストはこちら。
【永久保存版】エアブラシ希釈の「科学」と「失敗ゼロ」チェックリスト:気温・湿度別粘度調整マニュアル
ノズル詰まりに注意!
水性塗料は一度固まると、強固な樹脂になります。これは塗膜としては優秀ですが、エアブラシのノズル内で固まると厄介です。
塗装の合間にはこまめにうがい洗いを行い、作業終了後は入念にメンテナンスを行ってください。
メンテナンスの裏技:
頑固な詰まりの洗浄と予防方法はこちら。
エアブラシ洗浄には「歯間ブラシ」!?塗料が出ないノズル詰まりの9割を解消する方法
500番・1000番・ブラック…どれを選ぶ?
最後に、ラインナップの使い分けについて整理します。
基本は「グレー1000番」
迷ったらこれです。傷埋め効果と仕上がりの平滑さのバランスが良く、どんな上塗り色にも対応します。幅広く使えるので、まずはこの1本を持っておけばOKです。
光沢仕上げに「500番」はNG?
500番は粒子が粗く、傷埋め効果が高い反面、表面がザラつきます。カーモデルなどで「鏡面仕上げ」を目指す場合、下地がザラついているとどれだけ上塗りを磨いても綺麗なツヤが出ません。光沢仕上げの際は1000番以上を使いましょう。
「色付きサフ」で時短と表現力アップ
- ブラック:重厚感を出したい時や、メタリックカラーの下地に最適です。
シルバー塗装の決定版!失敗しないための基礎知識と考え方 - マホガニー(赤茶):戦車模型のサビ止めプライマー表現や、影色として使えます。
戦車プラモデルの迷彩塗装はエアブラシで! 初心者でもできる塗り分けテクニック - ピンク:赤や黄色など、隠蔽力の弱い色を発色良く立ち上げたい時に重宝します。カーモデルのフェラーリレッドなどで発色を助けます。
まとめ:水性サフで「快適な模型ライフ」を手に入れよう
「臭い」を理由に塗装を諦める必要はもうありません。水性サーフェイサーとエアブラシ、そして「砂吹き」のテクニックがあれば、リビングでも、家族に気兼ねなく、プロ並みの下地を作ることができます。
まずは1000番の瓶入り水性サーフェイサーと、専用うすめ液を手に取ってみてください。あなたの模型環境が劇的に変わるはずです。

コメント